프로젝트2026年2月5日
見えない準備が良い社屋を決める、デハンネイルES社屋 ②
著者 · SPACEBASE

内装は実のところ、目に見えないところから出発する。デザインに先立って、まず設備とインフラを整えなければならない。空間の機能を十分に果たすためには、水面下の工事準備の過程が非常に重要である。病院をオフィスに変えた六か月の大工事、「デハンネイルES社屋」プロジェクトの第2編をご覧いただきたい。「室内建築」という言葉のとおり、建築水準の工事過程を紹介する。

デハンネイルESの江西新社屋プロジェクト、前回の第1編では企画とデザイン設計の過程を中心に見てきた。今回の第2編は工事の過程を集中的に扱う。目に見えるデザインに先立って、必須インフラから構築するSPACEBASE(以下「スべ」)の室内建築の過程に注目した。
インフラ構築から始まる室内建築

機器の解体および搬出作業
Q. デハンネイルES社屋は施工に六か月を要した大型プロジェクトですが、その工事の過程はいかがでしたか。特に予想より時間がかかった部分は何か、ご紹介ください。
この建物はもともと産婦人科として建てられた。病院だった建物をオフィスに変えるために、数多くの改修作業が必要であった。特に解体作業だけで二か月以上かかった。予想より長い時間を要したのだが、再利用が不可能な装備や施設をすべて撤去しなければならず、大きな装備は切り分けなければ外へ運び出すことができなかったからである。
工事の過程では新たに入った部分よりも、取り壊して捨てなければならない部分の方がはるかに多かった。あるいは、建物の外壁を除いてすべて新しく建てたと見ることもできるだろう。(笑)
排水管、消火栓、トイレといった設備もすべて撤去し、位置と用途に合わせて再施工した。地下階はカビを除去する作業も容易ではなかった。仕上げ材を撤去してはじめて現れる壁や天井の亀裂、床の段差もすべて補修しなければならなかった。老朽化したテラスをきれいに使うためにも、防水作業や床デッキの施工など多くの作業が必要であった。

床ペデスタル作業(*ペデスタル:排水のためにタイルを浮かせて施工する方式)
Q. 内装会社が行う作業がこれほど広いとは知りませんでした。室内工事の作業範囲について、さらに詳しくご説明ください。
内装を「目に見える部分を飾る」作業だと考える場合も多い。実際、1900年以前までは「室内装飾」という用語を使っていた。空間を装飾し飾るにとどまる行為と見なされていたのである。
しかし今は「 室内建築 」という用語を使う。 内装の業務範囲が単なる装飾を超えて、建築行為へと拡張されたからである。大小の空間を完成させるためには、目に見えるもの以上の建築作業が必要である。消防、空調、電熱などの施設を配置し、法的基準を遵守して安全に施工できる高い専門性が求められる。
今回のデハンネイルES社屋の工事の過程を見ながら、室内建築と呼ばれる内装の広い作業領域を確認していただければと思う。

地下階の倉庫および作業室

地下階の仮眠室
Q. 既存の病院から各空間がどのように変わったのかご紹介ください。11の階の中で最も大きな変化を遂げた空間があるとすれば、どこでしょうか。
地下階について話したい。もともとは病院の機械室と廃棄物処理空間であったところを、デハンネイルの構成員たちの行事準備作業室へと完全に変えたからである。
その過程で機械室の多くの機械を取り除いたのだが、配管はすべて切断し、電気回路を分離する数多くの作業が必要であった。 インフラをすべて新しく構築する作業であるという点で、最も大きな変化を遂げた空間だと言える。
解体と施工を経て、機械室は物品の選別作業室として生まれ変わった。収納用ラックとホワイトボードを空間に配置し、行事品を見ながらアイデアを整理できる空間である。既存の大講堂は規模を分け、折戸を設置して、複数の作業室が互いに柔軟につながるようにした。機械監視室は建物管理人たちの休息空間に変更した。
社屋リニューアルで必ず知っておくべきこと

(左)外壁コンクリートへの防水液塗布作業(右)石塀の補修作業
Q. デハンネイル社屋のように「用途変更」が必要な建物で、特に注意すべき事項はあるでしょうか。
用途変更は、建築の内部を建て直す仕事である。目に見えない部分で途方もない変更が必要となる。インフラ構築のために、解体の過程でも思ったより多くの部分を取り払わなければならない。
まず、 綿密な現場チェック が何よりも重要である。スべは設計作業に先立って二週間にわたり五度建物を点検し、その後も幾度となく必要な部分を新たにチェックした。
また、改正された 消防法と障害者施設関連法規 に従って工事を進めなければならない。デハンネイル社屋の場合、2008年に竣工した建物であったため、新しい法規に合わせて変更しなければならない部分があった。
最後に、 既存の外壁と仕上げ材を活用 するために多くの気を配らなければならない。建物を新しく建てるのではないため、既存の建物の外壁と同一の資材を探して施工しなければならない。歳月の跡が残る既存の仕上げ材と違和感なく補修するために、洗浄や防水にも多くの労を費やした。

建物中央部の壁体タイル施工作業

建物中央部(AFTER)

屋上の解体作業

屋上(AFTER)
Q. 新しい動線計画を企画する過程で、重要に考えた点は何でしょうか。特に階間の連結をどのように設計したのか気になります。
11の階の中でチーム間の協業頻度をまず確認した。 業務関連度の高いチームは隣接する階に配置した。デハンネイルの複数の子会社が使うコワーキングスペースと会議の階は、1階に近く配置した。
個別の階の中でも業務動線が便利になるよう気を配った。例えば、すべての階がそれぞれ2つのゲートを持っているのだが、どのゲートから入っても通勤動線が便利になるようスイッチの構成を設計した。各階の電灯と音響機器、冷暖房機をコントロールできる構造も備えた。
何よりも、全社員が使う休息空間の配置が重要であった。当初のRFPでは社員食堂を地下空間に要望されていたのだが、構成員みなが使う空間であるだけに、 快適さを最大化するために7階へ変更して提案した。7階はテラスと外部空間がつながっており、はるかに快適に食事と休息を楽しむことができるからである。

屋外駐車空間を設けるための解体作業

1階 ISO
Q. オフィス建物は十分な駐車空間も重要ですが、工事の過程でどのように追加の駐車空間を確保できたのでしょうか。
デハンネイルは企業行事を進行する業務が多いため、広い屋外駐車空間が必ず必要であった。多くの装備と行事人員が移動するために、複数の車両が出入りしなければならなかった。円滑な業務のため、既存の2倍に達する駐車空間が必要であった。
そこで塀と花壇、化粧石を撤去し、屋外駐車空間を広げた。電気自動車充電所、駐車遮断機、駐車管理人の業務室、機械式駐車入口の庇など、新しい駐車施設も設けた。貨物車の回転半径を考慮して、進入路もより広く拡張した。このように、オフィスに必要な空間を確保するために、室内空間だけでなく 外部環境を含む総合的な工事が必要であった。

Q. 社屋をリニューアルする過程で、あらかじめ考慮しておくとよい内容があれば、三つだけ挙げてください。
第一に、解体前には見えない内容がある。 いくら幾度も現場を訪れて綿密に状況を把握しても、解体後にはじめて新たに現れる部分がある。企画設計のとおりに施工が可能かどうかは、解体以後に正確に把握することができる。
第二に、改正された法規を把握しなければならない。竣工してから久しい建物であれば、現在の消防法と障害者施設の法規に適合しているか必ず確認しなければならない。法的に問題となる部分がないかチェックし、不備な部分の追加作業を完了させなければならない。
第三に、大きな施設変更があり得る。 動線と構造を完全に変えなければならないこともある。目に見えない空間だけでなく、水道、消防、電気、空調、通信など建物インフラの位置までも全面的な再検討が必要である。その過程では建築士との協業も重要である。
このように数多くの作業が行われた後に、ようやくデザインについての話が始まる。美しい空間デザインは、確かな先行作業があってはじめて現れることができる。利便性を考慮した細やかなデザインもまた、空間の基本を固める準備と工事の過程の末に生まれる。
大規模な解体工事から、身体に触れるささいなディテールまで、 社屋の内装は、目に見えない悩みと配慮が集まって完成する総合的な建築プロジェクトである。空間を構成する小さな要素は、小さくささやかに見えることもあるが、どれ一つとして決して容易には作られない。良い社屋を完成させる条件は、水面下の見えないところから出発する。
👉 デハンネイルES社屋の設計とデザインの過程を見る - ①
*写真・デザイン提供_スべ
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社屋リニューアルについてさらに知りたい方は、
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