프로젝트2025年7月31日
CLO、ハイエンドファッションテック企業が空間で語る方法
著者 · SPACEBASE


数回のクリックだけで服を作れるとしたらどうだろうか。3D衣装デザインソフトウェアとコミュニティプラットフォームを運営するファッションテック企業、CLO Virtual Fashion(以下「CLO」)は、そうした想像を技術で実現する会社である。実物のように生地を縫製して衣装を仕上げ、それをアバターに着せてランウェイを実現したり、クラウドベースのプラットフォームで作業過程を共有できるよう手助けする。また、誰もが手軽にファッションデザインを始められるようカリキュラムを提供し、デジタル資産を取引できるマーケットプレイスも運営している。デザイン、シミュレーション、教育、流通に至るまで、ファッション産業全般にわたってデジタルトランスフォーメーションを先導しているのである。
このようなCLOは、技術革新を象徴すると同時に、多様なユーザーが自然に交流できるオフィスを望んでいた。SPACEBASE(以下「SPACEBASE」)は、「ファッション」と「デジタル」が出会うCLOのアイデンティティを空間に込め、内部の協業と外部の体験が有機的に調和する環境を設計した。CLOの方向性を直観的に示す空間、革新者たちがともに集える空間を実現することが核心であった。
「関係指向的」なオフィス、双方向のユーザーを包み込む

この空間を利用する人々は、大きく二つのグループに分かれる。一つはCLOの技術と方向性を体験したい外部ユーザー、もう一つは多様な分野を横断しながらともに働く内部メンバーである。SPACEBASEは、二つのグループのユーザーの特性と空間使用の目的を考慮して、空間全般を設計した。
CLOの核心的価値は、「ユーザーフレンドリー」な企業文化にある。SPACEBASEはCLOの哲学を基に、外部ユーザーも内部ユーザーもそれぞれの方法でブランドを体験できる空間を完成させた。企業アイデンティティを刻み込むデザインを土台として、業務特性と空間使用の目的に合わせて綿密に空間を配置したのである。その結果、空間を注意深く眺めるだけでも、CLOという企業がユーザーとどのような関係を結ぼうとしているのかを理解できる。
ブランドアイデンティティを伝えるメインシークエンス
CLOの社屋には、多様なタイプの来訪者が出入りする。その中でも、ブランドに初めて出会うユーザーのために、SPACEBASEはCLOのアイデンティティを確実に見せる方法を考えた。ファッションというトレンディな産業環境の中でも、最も最新のものを扱う企業であるだけに、直観的でありながら華やかなデザイン要素を活用してブランドを見せることが最も効果的であるという確信があった。そうしてCLOの核心となる空間の数々がデザインされたのである。
①出入口:第一印象を作るデジタルナラティブ

主出入口から入ると向かい合うことになるビデオホールを3Dで実現したイメージ。多様なCLOの製品が実演される。

実際に実現されたホールの様子。
エレベーターから降りたCLOの来訪者は、巨大な大きさで映像作品が上映される空間と向かい合う。8mの曲面パネルが設置されたこのビデオホールでは、CLOの製品と企業紹介映像が再生される。ファッション産業にデジタルを融合させるCLOのビジネスアイデンティティをそのまま感じ取れる仕掛けである。
②プレミアムラウンジ:温かく品格ある歓待

ビデオホールを過ぎてラウンジに入った来訪者の動線を考慮し、3Dで実現してみたイメージ。

実際に実現されたラウンジ空間。開けた眺望と、温かくモダンな色合いが印象的である。
ビデオホールを過ぎてラウンジに入った来訪者は、ソウル市内が一望できる素晴らしい眺望と向かい合う。まるで高級ホテルを訪れたかのように、ソウルの江南地域と漢江、汝矣島、南山タワー、纛島を見渡す高い眺望に、思わず感嘆の声が漏れる。外部の人を迎える空間としての役割に合わせ、格式を備えながらも重くなりすぎないよう、全般的に明るい色合いを用いた。おかげで、雲の上に浮かんでいるかのように軽快で端正な印象が際立つ。

窓側の方向から眺めた様子。ホテルのラウンジを連想させる格式を逃さなかった。
このラウンジは、CLOにおいて最も比重を置いて検討された空間でもある。SPACEBASEは、来訪者がしばし留まる間に、「ファッション」と「技術」というキーワードを包み込むCLOのアイデンティティが伝わるよう、ラウンジのデザイン要素を綿密に選定したのである。

ラウンジの全景を3Dで実現した様子。縦型のマルチビジョンや、独特な壁体、照明など、繊細なデザイン要素が際立つ。

(左)入口の方向から眺めた様子。階段部の壁体に設置されたマルチビジョン画面が目を引く。(右)マルチビジョンの向かい側、左の壁面に設置されたファブリックパターンウォール。
ラウンジの階段部の壁体に設置された巨大な縦型マルチビジョンは、CLOの知らせと作業物を見せる。一方の壁面に用いられた独特なファブリックパターンウォールは、「布」を扱うファッション企業としてのCLOのアイデンティティを直観的に表している。初めてCLOを訪れた外部の人の視線が届く至るところに、ブランドの個性を込めた仕掛けが配置されているのである。
③タウンホール:創造的な出会いが生まれる空間

ボイド空間を活用した大規模なタウンホール。
タウンホールは、外部ユーザーと内部ユーザーの活用度をバランスよく考慮して作られた。7mほどのボイド区域を、200名を収容できる大規模なタウンホールに作り上げたのである。外部ユーザーのための教育や、複数の支社で勤務するメンバーの大規模な会議の場として活用される。

別の角度から見たタウンホール。開けた眺望に似合う、明るく温かい色合いが用いられた。
爽やかな眺望と調和する明るい色合いも印象的である。SPACEBASEは多様なカラーを用いつつ、装飾が過剰にならないよう、また強いコントラストで空間に疲労感を加えないよう、細やかにカラーを調整した。その結果、ブランドの清涼さを湛えた、温かくありながらモダンな空間ブランディングが完成したのである。あわせて、長時間の教育や会議が行われる空間特性を考慮し、家具と階段の寸法を人体比率に合わせて設計することで、空間の完成度を高めた。
メンバーの自負心を高める業務空間

階段に沿って上の階へとつながるCLOの事務空間には、メンバーの持続可能な没入のための配慮が際立つ要素で満ちている。無駄になる動線を最小化し、複数の部署が柔軟にコミュニケーションを取りながら没入できる環境を作ったのである。SPACEBASEは、CLOで勤務するメンバーの性向と業務タイプ、相互作用をくまなく考慮しながら、効率的で健康なオフィスを設計した。
①多様性と柔軟さが込められた会議空間
CLOのオフィスは、目的に合わせて細分された会議空間を備えている。プロジェクトを進める内部メンバーは、それぞれ自分の席だけに留まっている場合が多い。SPACEBASEは、メンバー間の自然な協業を促すため、多様なタイプの会議空間を作った。プロジェクトや職群ごとにそれぞれの業務に没入できながらも、いつでも他部署とカジュアルにコミュニケーションを取れる柔軟な空間である。

フリーアドレスゾーンは、完全な没入を通じて効率的な業務や会議が可能になるよう設計した空間である。パーティションで仕切られた1人席で重要な業務を処理したり、集中度の高いビデオ会議に参加したりできる。人数や部署構成が多様な組織は、「コ」の字型に作ったテーブルをよく活用する。開放的な空間に配置されたこの会議空間は、閉鎖的なミーティングルームで生じうる負担感を減らし、自由なコミュニケーションが可能な雰囲気を作り出す。

オープンミーティングゾーンは、会議の多い部署のために、最小限の動線でアクセスできるよう配置された。特に会議空間には書き込みが可能な壁体が設置され、即興的に思い浮かんだアイデアを記録し構造化するのに効果的な役割を果たしている。このほかにも、各チームが効率的に使用できるようチームごとの会議室をともに構成し、メンバーの会議集中度と移動効率性をいずれも高めた。

ソフトウェア技術の教育者のための教育室。
CLOの産業的特色を生かした会議空間も用意されている。代表的な例が、ファッション企業のアイデンティティを実現したサンプルルームである。生地を実験し衣装を開発するための専用空間で、生地の質感、重量、抵抗度などをテストできるため、勤務者の没入度が非常に高い。サンプルルームのすぐ隣には、CLOユーザーのための専用教育室が配置されている。CLOの技術を体験しようとする人々のために、ソフトウェアを教育する常設の空間として機能している。「ファッション」と「デジタル技術」というCLOの核心的アイデンティティを象徴する二つの空間が並んで構成されている点が印象的である。
②インスピレーションを回復する開放型オフィス
先端技術とファッションを融合させたサービスを披露するCLO。技術と芸術を包み込むメンバーの創造的思考の力量が何よりも重要である。そのためにSPACEBASEは、適切な緊張の緩和と休息を通じて、持続的な業務没入度を維持できる仕掛けを考えた。高層ビルの上層部に位置するCLO社屋の自慢は、ソウル市内が一望できる開けた眺望である。考えの転換と気分の切り替えが必要なメンバーは、この爽やかな眺望を湛えた空間へと向かうことになる。

(左)眺望を見下ろしながらコミュニケーションが取れるグループゾーン。(右)グループゾーンの向かいに設けられたコンフォートゾーン。自然光に似合う明るい色合いで空間に活気を加えた。

メンバーの休息を担うマッサージルーム。
まず、先に紹介した会議空間より少し小さい4〜6人規模の会議空間であるグループゾーンが窓際に配置されている。グループゾーンは、タウンホールの階段の背面を活用して設計された場所である。CLOの自慢である優れた眺望が際立つ窓際に近く、素晴らしい借景を鑑賞しながら会議を進められる。特にこのグループゾーンの間に配置されたマッサージルームは、業務で溜まった緊張と疲労を回復できるため、内部メンバーが最も好む空間として挙げられる。

カフェテリアの全景。開放的な空間で自由に休息を取れる。

明るく清潔な白色と、温かい色合いがともに活用されたカフェテリアの様子。
カフェテリアは、グループゾーンとともに内部メンバーが最も気楽に利用する空間である。タウンホールに適用されたデザインの方向性のように、CLOの清涼なブランドカラーを考慮した明るい色合いが主に用いられた。業務のリズムを回復できる場所として機能できるよう、モダンでありながら温かい雰囲気が漂う色が慎重に選ばれた。
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CLOのオフィスは、企業の文化と内部メンバー、そしてそこを行き交う多様な来訪者を全方位的に考慮して誕生した。革新する企業のビジュアルアイデンティティを追求しながらも、その中心には「ユーザー」への配慮があった。ブランドアイデンティティを失わずに、ともにする人々の体験を優先に置く態度は、産業を先導する企業の必須の徳目ではないかと思う。
SPACEBASEは、このような企業哲学を空間全体に鮮明に広げようとした。都市の風景が一望できる眺望が空間誇示のための展示の役割だけを果たさないよう考え、ブランドを体験する人が誰であってもオフィスに溶け込めるよう、直観的で境界のないデザイン要素を加えた。そうして完成したオフィスは、ユーザーと企業との関係を定義する空間ソリューションとなった。
このようにSPACEBASEは、多様なブランド関係者に企業の哲学を伝えるメッセンジャーとして空間を捉え、設計する。利便性あるいは美しさという価値、それ以上のものを込めて、オフィスデザインの可能性を広げていくSPACEBASEの旅路を見守っていただきたい。
*写真・デザイン提供_SPACEBASE
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