인터뷰2026年1月4日
[INTERVIEW] SPACEBASEが空間をつくる方法
著者 · SPACEBASE

空間をつくるという仕事は、結局のところ人と仕事の進め方を読み取る仕事である。平面と仕上げ材、動線という成果物の背後には、数えきれないほどの問いと選択の過程が幾重にも積み重なっている。SPACEBASEの仕事が印象的なのは、その過程がひときわ鮮明に立ち現れるからである。今回のインタビューでは、SPACEBASEが一つの空間を完成させるまでにどのようなチーム構造で動き、どのような基準で「良いオフィス」を定義するのかをたどっていく。SPACEBASEが空間に向き合う姿勢は、華やかな説明よりも実際の働き方の中にこそ、より明確に込められている。SPACEBASEが一つの空間を完成させるまでの過程と、その中に込められた選択を、落ち着いて読み解いていく。

SPACEBASEが空間をつくる方法
一つのプロジェクトが完成するまで

Q. まず、SPACEBASEチームの構成から伺いたいです。SPACEBASEチームはどのような構成で成り立っているのですか?
SPACEBASEは、デザインとPMを兼ねて担当する「設計チーム」、見積もりを算出する「工務チーム」、現場の施工と管理を担う「施工チーム」、そして工事契約や会社全般の経営・情報システム業務を担当する「管理チーム」で構成されている。一つのプロジェクトが始まりから竣工まで続く全過程において、これらすべてのチームが緊密に協業しながら動いている。
Q. 施工チームを外注ではなく社内組織として置いているという点が印象的です。特別な理由があるのでしょうか?
会社ごとにやり方は異なるが、外注施工を選ぶ場合も多い。コストやリソース管理の面では、合理的な選択になり得る。ただしSPACEBASEは、設計意図が現場でできるかぎり正確に実現されることを望んでおり、その結果、施工チームを社内組織として置く方式を選んだ。設計と施工のあいだのシンクを高めるための決定であった。

Q. SPACEBASEといえば、名だたる企業のオフィスデザインがまず思い浮かびます。オフィスを中心に手がけるようになったきっかけが気になります。
実のところ、オフィスだけでなく商業空間も着実に手がけている。ただ、SPACEBASEはコロナ期に業務空間を設計するなかで、自然とオフィスプロジェクトで注目を集めるようになり、その後、多くの企業とオフィスデザインを中心に協業を重ねてきた。
働く空間に対するSPACEBASEの視点
働く人を中心に据えた空間

Q. ここで、SPACEBASEがオフィスをどう見ているのかも気になってきました。SPACEBASEが考えるオフィスの役割とは何でしょうか?
オフィスは単に仕事をする場所を超えて、構成員が自宅の次に最も多くの時間を過ごす空間だと考えている。だからこそ自宅と同じくらい重要であり、単純に設計できない空間である。ユーザーの傾向と会社の業務特性を十分に考慮し、業務効率を高める方向で設計されるべきだと見ている。
Q. オフィスに対する視点を伺うと、SPACEBASEならではの色がさらに気になります。ほかのインテリアスタジオと比べたとき、SPACEBASEのオフィスならではの最も大きな差別化ポイントは何だとお考えですか?
SPACEBASEのオフィスは、各企業のブランディングが空間に直観的に立ち現れる という点が、最も大きな差別化ポイントである。 単に華やかなデザインではなく、空間の隅々に企業のアイデンティティと要望が自然に溶け込むように設計することに集中している。

Q. 先ほどお話しいただいた内容が、実際の空間ではどのように実現されたのかも気になりました。SPACEBASEの哲学が最もよく表れたプロジェクト、あるいは特に記憶に残る事例を紹介いただけますか?
正直なところ、すべてのプロジェクトが記憶に残っているのだが、一つ挙げるとすれば、CLOプロジェクトが思い浮かぶ。CLOは3D衣装デザインソフトウェアとコミュニティプラットフォームを運営するファッションテック企業である。デザインからシミュレーション、教育、流通までを網羅する会社の特性を盛り込み、技術革新とユーザー間の活発な交流を同時に表現できるオフィスを望んでいた。
私たちは「ファッション」と「デジタル」というキーワードを中心に空間を組み立てた。とりわけラウンジは外部の来訪者を迎える空間であるだけに、格式を備えつつも過度に重くならないよう、明るいトーンで設計した。来訪者がしばし留まるあいだにも「ファッションと技術が出会う会社」というメッセージが自然に伝わるよう、デザイン要素の一つひとつを丁寧に練り上げた過程が、最も記憶に残っている。
Q. 実のところ、企業ごとに組織文化や業務の進め方が異なります。こうした違いはどのように設計へ反映されるのでしょうか?
設計に先立ち、企業に対する理解を最も優先する。 経営方針、代表の傾向、組織文化、役職員の年齢層などを、資料調査とミーティングを通じて把握する。「企業調査」という表現は少し大げさに聞こえるかもしれないが、結局はクライアントの話を十分に聞く過程だと考えていただければと思う。企業をきちんと理解してこそ、それに見合う空間が完成すると信じている。

Q. 企業にぴったり合った空間が完成するわけですね。SPACEBASEが言う「オーダーメイド設計」は、どのような過程で実現されるのでしょうか?
SPACEBASEのオーダーメイド設計は、問うことを恐れないところから始まる。 むやみに問うのではなく、企業の特性をより深く理解するために、独自のマニュアルをもとに質問リストを整理して渡す。その後、顧客からの要望を反映してさまざまなレイアウトを提案し、ともに議論しながら方向性を絞り込んでいく。
Q. デザイン的な美しさと実用性のバランスは、どのように取られているのですか?
あるクライアントはデザインを、また別のクライアントは実用性をより重視する。理想は二つの要素がバランスを成す空間だが、企業ごとに状況や優先順位が異なるため、増員計画や組織文化などを考慮し、最も適した方向を見いだそうとしている。
SPACEBASEの協業の進め方、ともに働くリズム
共有と対話で完成していく過程

Q. SPACEBASEのプロジェクトは、基本的にどのようなフローで進むのでしょうか?
入札の初期段階では、企画設計と見積もりの算出が同時に進められる。施工会社が選定されると基本設計と施工の段階へ移り、竣工後にはクライアントとともに竣工検査を行う。社内でも竣工ミーティングを通じて、補うべき点を整理する。
Q. 設計過程では複数のデザイナーが参加するかと思いますが、一つの案へどのようにまとめられるのでしょうか?
設計チームに投入されたデザイナーがそれぞれ平面を描いてみたうえで、自由に意見を交わしながらデベロップしていく。同じチームであっても各自の視点を透明に共有でき、予期せぬ観点を発見できるという点から、この方式を維持している。

Q. チーム内、そしてクライアントと方向性を合わせるために、どのような対話を最も多く交わされるのでしょうか?
座席数、動線、デザインなど、さまざまな条件のなかで何を最も重要だと考えているかをよく尋ねる。序盤の企画がクライアントの方向性と合致していれば、役員陣だけでなく実際の使用者である役職員の意見も幅広く聞き、その優先順位を設計全般に反映する。チーム内で意見を調整する際には、役職に関係なく各自が自由に意見を出し合い、協業する雰囲気のなかで調整がなされる。
Q. デザイン・予算・スケジュールが衝突するときは、どのような基準で判断されますか?
冷静な話に聞こえるかもしれないが、結局のところ基準はクライアントである。クライアントが何を最も優先するのかに応じて、合意点を探していく。

Q. SPACEBASEらしいチーム文化や働き方があれば教えてください。
役職はあるが、誰もが自由に意見を出せる雰囲気である。「文化の日」のように昼休みを長く活用して展示を見たり、仕上げ材をともに見に行ったりもする。参加していないプロジェクトであっても、現場を共有し、互いに学び合う文化が根づいている。SPACEBASEにとって最も重要なキーワードは、結局のところ「共有」と「対話」 である。
Q. SPACEBASEが考える「うまく働くチーム」とは何でしょうか?
私たちが考えるうまく働くチームは、対話が円滑なチームである。互いの意見を尊重し、自由に語り合えるとき、成果物もまた自然と良くなっていくと考えている。
SPACEBASEが思い描く次の場面
「良い空間」についての考え

Q. SPACEBASEの言う「良い空間をつくる」とはどういうことでしょうか? 最後に、読者へ伝えたいメッセージがあればお願いします。
美しく華やかな空間が良く見えることもあれば、素朴だが居心地のよい空間が、誰かにとっては最も良い空間であることもある。しかし良い空間は、自分にとってだけ良い空間であってはならないと考えている。自分が快適だと感じる要素が、誰かにとっては不便さになり得るからである。結局、最も良い空間は、使うすべての人にとって効率的で快適な空間である と信じている。

SPACEBASEの言う良い空間は、特別な形式ではなく、働く人へ向けた理解から始まる。その理解が積み重なってつくられた空間は、使われ方の中でゆっくりと完成していく。
*写真撮影・提供: リュ・ジン エディター
他の記事
인사이트2026年4月29日
空間の雰囲気を変える:SPACEBASEの家具デザイン
프로젝트2026年4月29日
働き方まで設計した、ワイアットオフィス
인터뷰2026年4月29日
SPACEBASEのデザイナーたちのリファレンス収集法
프로젝트2026年3月30日
MURATA社屋、企業の価値を映し出す
인사이트2026年3月30日
オフィス拡張を控えたスケールアップ・スタートアップが直面する4つの空間ジレンマ
팀스토리2026年3月30日
スベ デザイナーダイアリー - ② 図面が空間になるまで
팀스토리2026年2月26日
SBデザイナーダイアリー - ① デザイン案が完成するまで
인사이트2026年2月26日
メンバーの没入と問いを呼び起こす社内ラウンジの役割
인터뷰2026年2月26日
空間から始まる信頼:投資会社のオフィスデザイン5選
팀스토리2026年2月5日
最初のミーティングで我々が必ず尋ねるN個の質問
인사이트2026年2月5日
オフィスデザインのムードを決める仕上げ材のすべて
프로젝트2026年2月5日
見えない準備が良い社屋を決める、デハンネイルES社屋 ②











